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ブログ
阿蘇野焼き 大地を焦がし、芽吹きの季節を呼ぶ炎
2022/03/31
1000年以上前から行われてきたとされる野焼き
枯れた葉や草に火を入れることにより
燃えた灰は、あたらしく芽吹く肥料となり
また燃えて地面が露わになったことで
新芽がでることを容易くします

広大な土地が一瞬で真っ黒になります
もちろん火を扱うことで、
命に危険が伴う大変な作業です

しかしこれらを継続して行うことで
草花の生態系が守られ
放牧された牛たちは、栄養価の高い草を食べることができ
また私たちにとっても生活の糧となるのです

各牧野組合で、野焼きを行うエリアを決めており
その組合ごとに野焼きを行う日程も違います
私達が行う野焼きのエリアは
主に「大谷山、赤谷」といったエリアを野焼きしていきます



黒川牧野組合の野焼き決行は3月13日でした。
朝8時30分から水の補給や登山を開始します

その1週間は雨も降らず、日中も晴れ(夜からは雨)
(前日や前々日に雨が降っていると地面や草が濡れて火が燃え広がらないため)
絶好の野焼き日和!!

と考えていたのですが、大自然を前にその予想は裏切られます

本来、火をつけていくと風が起こり
その風が炎を広げ、草原を焼いていきます
その風が強すぎても広がりすぎて炎に巻き込まれるなどして危ないので
加減が難しい経験がものをいう作業なのですが

今回は【風が弱くて、炎が広がらない】

もちろん徐々に炎が広がっていくのですが
午前中に本来予定していた箇所の野焼きを終えるのに
2時間も押していました

午後からの作業も変わらず
火が燃え広がらず時間がかかりました

例年遅くとも16時には作業が終わり解散になるのに
作業は日が暮れるまで行われ続けました

そして炎が焼き終える前に
天気予報通り、雨が降り始めたのです

本来、野焼き直後の雨というのは
残り火を消し、燃やしてはいけない箇所への飛び火を防ぎ
そして灰が舞うの抑える
最高で天然の消火剤なのですが。。

天候と火を、人間が予測することが本当に難しいことなのだと
改めて感じます

毎年行っていても、難しい野焼き

今では、多くの方がSNS等で目にする機会が多くなりましたが
前述のとおり、安全には十分配慮していますが
難しくなにより危険が伴う作業です

そして正直、見学等は作業の邪魔になります
「野焼きの立入禁止」の看板をよく見て
阿蘇野焼きという1000年にわたる試みを応援して頂きたいと思います
  • 輪地の火を消し、見守る
  • 炎が広がらず作業が夜遅くまで続いた